お掃除の豆知識
汚れ取り編
ホコリというのは、「ホコリを舞い上げないで取る」ことが重要であることを理解して頂いたら、次は「汚れ取り」です。
汚れ落としには、一般的には「洗剤」を使いますよね。(専門的には「界面活性剤」といいます。)
でも、洗剤ならなんでも良いのではなくて、汚れの種類によって洗剤の種類も使い分けする必要があるのです。
しかし、一般の方に分かりやすくするために、メーカーサイドで「○○○用洗剤」と表示されています。例えば、「住まいの洗剤」とか「台所洗剤」とかです。
ここで、知っておくと便利な洗剤の知識をお話しいたしましょう。
洗剤には「液性」というものがあります。ペーハー(ph)ともいいますが、このペーハーは0から14まで分かれており、0に近い数字が酸性で、14に近いほどアルカリ性が強くなります。真ん中の7が中性ということです。
この「液性」を調べたいときは、下の写真のように洗剤の後ろのラベルに書かれています。
大まかに覚えておいて頂きたいのは、水アカ汚れには「酸性洗剤」を、油汚れや泥んこ汚れには「アルカリ洗剤」を、天然のものには「中性洗剤」が適しているということです。
水アカ汚れというのは、台所の流し台やお風呂、トイレ・洗面などに付いている汚れです。
油汚れというのはレンジまわりやレンジフード、台所のタイルなど油でベト付いた感じの汚れですね。
天然のものというのは、羊毛(ウール)とか無垢の白木とかです。また、一般のご家庭で使用する台所洗剤などは、野菜や食器を洗ったりするために、「中性」に作られています。
そして、酸性であれアルカリ性であれ、強い洗剤を使用した後は必ずリンス(中和)をしておかないと、後日、薬品焼けといって茶色く変色して来ますので、要注意です。酸性洗剤を使ったらアルカリ性で、アルカリ性洗剤を使ったら酸性でリンスして中性に戻します。
リンスと言えばすぐに思い浮かぶのが、頭髪を洗うときの「シャンプー」「リンス」です。髪の毛はもちろん天然のものですから本来は「中性洗剤」であるべきなのですが、メーカーさんの開発コンセプトによって多少「弱酸性」にしたり、「弱アルカリ性」にしたりしてある場合があります。
また髪の毛は、非常にデリケートなので、必ずといって良いほど、同じメーカーであってもブランドごとに「シャンプー」と「リンス」がセット(対)として販売されています。
例えば、資生堂さんの「赤椿」のシャンプーには「赤椿」のリンス、「白椿」のシャンプーには「白椿」のリンスがありますよね。他のメーカーさんでも同じです。それは、髪の毛を痛めないようにキチンと中性に戻し、髪を保護するために用意されているものなのです。
しかし、女性の中には、「私はシャンプーは○○メーカーが好き!リンスは××メーカーのものを使っているのよ!」と言われる方があります。「リンス」というのは本来「中性に戻す」という意味ですので、とてもデリケートな髪の毛にはシャンプーと同じブランドのリンスを使われる方が、中和をするという意味では安心なのではないでしょうか。
それと、もう一点、是非知っておいて頂かないといけないことがあります。それは浴室のカビ取りをされるときです。
浴室用洗剤は、近頃は、中性のものも売り出されていますが、上記の説明のように基本は「酸性洗剤」です。それと塩素系の「カビ取り剤」とが混ざると猛毒の「塩素ガス」が発生します。以前に、四国の主婦がこの事件で亡くなられました。そのことを受けて、「家庭用品品質表示法」という法律が出来て、目立つように「混ぜるな!危険!」というラベルが貼られるようになりました。
どうぞ、注意書きをよく読んで、混ざらないようにして換気を十分にしながらお風呂掃除をしてください。
洗剤のことで解らないことがあれば、いつでもお電話かメールでお問い合わせ下さい。